迷宮のレンブラント
メイキング・オブ・ドッグヴィル〜告白〜
メイド・イン・マンハッタン
メイド・イン・USA
名誉と栄光のためでなく
ザ・メキシカン
めぐり逢い
めぐりあう時間たち
めぐり逢えたら
メッセージ・イン・ア・ボトル
メトロで恋して
めまい
メメント
メラニーは行く!
メリーに首ったけ
メルシィ!人生
メルシィ・ラ・ヴィ
メン・イン・ブラック2
迷宮のレンブラント
INCOGNITO 2001/4/24 V
映画タイトルの「め」がまだなかったので借りてきたのですが、(笑)これがかなりいい映画でした。掘り出しものだわ〜♪ 途中、嫌いなシーンもあったのですが、(パリのホテルのロビーで野獣のようにHしてしまうシーンはほんとに嫌悪を感じました(;_;))ストーリー、プロットともに良く練られていて好感が持てます。ちゃんと素敵なオチもついていましたし。
主人公のハリー・ドノバンを演じているのはジェイソン・パトリック。天才的な贋作画家で、レンブラントの偽物を描くように依頼されます。最初は断るのですが、やっぱりお金に目がくらんで引き受けるところは「目撃者」とそっくり。(笑)「気がかわったらここに連絡して」と言われて名刺やメモを渡されるのは、常套手段なんですねえ(^_^;)
アメリカ映画なのですが、舞台は美しい景色の垣間見えるヨーロッパの古都の数々。パリ、ローマ、アムステルダム、といろいろな街や田舎の風景が堪能できます。ハリーが「レンブラント」を描く場所はアムステルダムのアパートの一室。道具を準備するところから念の入れようが違い、ほんとの「プロ」なんだなあと思わせます。贋作のレンブラントを描くシーンはこの映画の一番の見所で、圧巻です。むろん、実際に絵を描いているのは他の人なんでしょうけれど、非常にうまく演じています。まあ、俳優さんはこれが仕事ですからね。でも、ジェイソン・パトリックはどう見ても画家には見えないです。ジョニー・デップのほうが適役だったと思うんだけど…(;_;)
この主人公、画家にしてはやけにタフでワイルドです。自分の描いた贋作の絵が不相応の値段で買われるのに我慢できず、自分で描いた絵なのに、ディーラーのひとり(なんと、ヒガシという日本人です(^_^;))を銃で撃って持ち逃げしてしまいます。闇でもっと高く売ろうとするのですが、うまくいかず、とうとうディーラーのひとりに罠にはめられてしまい、警察につかまってしまいます。
後半に登場する裁判のシーンも見所です。法廷で実際に絵を描いてみせるシーンがありましたが、こういうことは過去に実際にあったらしいです。レンブラントではなく、フェルメールだったそうですけどね。絵画を題材にしている映画は他にもたくさんあるようなので、見つけたらまた見たいと思いました。私も高校時代にちょっとだけ油絵をかじっていたことがあったので、絵を描くシーンにはとても惹かれたんですよ。
共演のイレーヌ・ジャコブという女優さんは綺麗なのですが、私はあまり好きではありませんでした。主演のふたりが私好みだったら、満点をあげたんだけどなあ。たとえば、リブ・タイラーとジョニー・デップとか。(笑)★★★★
1997年アメリカ
ジョン・バダム監督
メイキング・オブ・ドッグヴィル 〜告白〜
DOGVILLE CONFESSIONS
ドッグヴィルの告白(ビデオ題)2004/11/17 D
特典映像として「ドッグヴィル」のDVDに同時に収録されていてもおかしくないメイキング映像ですが、独立した1本のドキュメンタリー映画になっています。52分しかないんですけどね。やっぱり「ドッグヴィル」を見た直後に見るのがいいかと思いますけれど、先にこちらを見ても面白いかもしれません。
撮影している時の俳優の心理状態というのは、映画の内容によってかなり左右されるものだろうと想像できました。この映画では、ヒロインのニコール・キッドマンがとても辛そうでした。役柄が悲惨ということに加えて、監督が風変わりなので苦労したようです。撮影が終わるころ、実に嬉しそうに「飛行機に乗って子供に会いにいくの」と言っているのが印象的です。
私は俳優さんたちがコンテナのような「告白室」で告白しているシーンがもっと多いのかと勝手に思っていました。ところが告白シーンは想像よりずっと少なく、さらに話している時間も極端に短く、人によっては無言というのもありました。絶句しているという感じの人もいました(^_^;)半分以上は撮影風景で、説明のナレーションもありません。時々、鹿が画面の中をゆっくりと歩いて横切っていったりします。これもなかなか不思議なドキュメンタリーだなあと思いました。
撮影はほんとに楽しかったとか、出演者同士が仲良くなったとか、和気藹々と撮影ができたことが語られているメイキング映像をよく見ますけれど、この映画は、全くその逆です。風変わりな監督、前代未聞のセット、そういった環境にとまどう俳優さんたちが淡々と映しだされています。監督にくってかかったり、意見をしたりする俳優さんもいて、撮影現場はとうてい和気藹々という雰囲気ではありません。彼らはプロであり、オファーを受けて出演を決めたわけですから、撮影に入ったら監督の指示に従わなくてはいけません。それでもくってかかっていくのですから、我慢も限界に達したということなんでしょう。この監督とはもう2度といっしょに仕事をしない、と思ってしまった俳優さん・女優さんもいたのかもしれません。
そうそう、先日見たばかりの「エクソシスト ビギニング」でメリン神父を演じていたステラン・スカルスガルドが嫌〜な役で出てました。ニコールを××してしまうなんて凄すぎる〜〜(>_<) このシーンを撮影するにあたって、監督は「そこに壁があるのだから、視線を向けないように」と言っています。見て見ぬふりをしろということです。さぞややりにくかったことでしょう。くだんのシーンの撮影後、監督はニコールをしっかりと抱きしめて慰めているようにも見えました。だったら、最初からそんなシーンは入れるなよ!!って思いましたが…(笑)
意外なことに、IMDBの評価は極端に低いです。本編を高く評価した人はメイキングは見たくなかったのかもしれません。逆に、本編が好きではないと思った人は、メイキングのほうが面白いと感じるのかも…。私はどちらでもなくて、両方面白いと感じました。続けて見たのですが、その場合は、気持ちをちょっと切り替えて見たほうがいいかもしれないですね。映画の本編そのものと、その映画のメイキングは、似て非なるものだからです。★★★★
2003年デンマーク
サミ・マーティン・サイフ監督
メイド・イン・マンハッタン
MAID IN MANHATTAN 2003/6/4 TH(ワーナーマイカルシネマズみなとみらい)
同じ時期に同じようなラブコメが封切りになっています。「メラニーは行く!」「トゥー・ウィークス・ノーティス」そしてこの「メイド・イン・マンハッタン」の3本は、全部見た人ならどれが一番いいかなあと必ず比べてしまうでしょう。「メラニー…」は先日試写会で見ましたが、あとの2本は同じ日にハシゴして1度に見てきました。
結論から言いますと、3本の中ではこの映画が一番好きです。「メラニー…」は主人公がジコチュー女なのでイマイチ共感できませんでしたし、「トゥー・ウィークス…」はギャグが高度すぎて(笑)ちょっとついていけませんでした(^_^;) もちろん、それぞれいいところがあるので、一概に比べられないんですけどね。とは言え、3本ともニューヨークが舞台(「メラニー…」は途中からアラバマになりますが)というのが共通項です。ニューヨークが大好きな私は、3本ともNYの風景をたっぷりと堪能いたしました(^^)
ジェニファー・ロペスが好きだという人は多いんでしょうね。やはり好感度が高いんだと思います。この人のイメージはとにかく「温かい」ということかなあ。きどっていなくてやさしげで丸い感じ。それでいて芯はしっかりしていて筋がきちんと通っている強さを感じるのです。この映画では特にそういう役どころだったので、ほんとにハマっていました。シングルマザーという設定で、10歳の子供が登場します。このタイという男の子がまたいいんですよ〜☆ この映画のポイントは、ずばりこの子にあると言っても過言ではないような気がします。
最初からラストがわかっているシンデレラストーリーで、ああまたこのパターンかと思う人も多いのかも…。日本では点数が高いですが、IMDBを見るとなんと4.8しかありません(^_^;) ラブコメと言ってもそれほどたくさんギャグシーンがあるわけではありませんし、主人公の2人はいたって真面目な普通のキャラクターです。「トゥー・ウィークス…」の主人公2人のはちゃめちゃぶりとは実に対照的なんですねえ。このあたりに日本人とアメリカ人の違いが現れているのかなあと思いました。
主人公マリサ(ロペス)の役がホテルのメイドさんなので、ホテルの裏話ものとして見るのも楽しいと思います。普段は見ることのできないホテルの裏方の仕事が丁寧に描写されていて、興味深いです。タイトルの「メイド」はホテルのメイドさんのことなんですよね。最初カタカナで見たときは、「Made in Manhattan」だと思ってしまいました(^_^;) 執事のライオネル(ボブ・ホスキンス)がすばらしい脇役でしたし、上客のキャロライン(ナターシャ・リチャードソン)の狂言回し役もハマってました。タイ役のタイラー・ガルシア・ボジー少年はほんとに将来が楽しみな子役です。
「シンドラーのリスト」で思い切りコワイ悪役をしていたレイフ・ファインズが、シンデレラストーリーの王子様の役なので、最初はちょっとだけ違和感があったのですが、見ているうちにすっかりペースに乗せられてしまいました。あのコワモテの顔も、全く気にならなくなるから不思議です。やはり俳優さんというのは、どんな役でもこなせるということですね。イメージを固定されてしまうのもよくないと思いますし、これからもいろんな役にチャレンジして欲しいです。
エンドクレジットのバックに出てくる後日談のショットは、私はとても好きなのですが、あれはよけいだと感じる人がいるかもしれません。ハッピーエンドで終わっていて、さらにふたりの幸福ぶりを見せつけられて(笑)デザートの最後にまたデザートが出てくるような感じがするんですよ。私は甘いものが大好きなので、全然平気なんですけどね(;^^)ヘ.. ほんとに「ごちそうさま」と言いたくなるエンディングでした〜(笑)★★★★
2002年アメリカ
ウェイン・ワン監督
メイド・イン・USA
MADE IN U.S.A. 2003/1/23 RV
これほど偏執狂的に色にこだわっている映画を見たことがありません。驚きました!青、黄色、赤。この3色が、どのシーンにも必ず入っているのです。たとえば、青い壁だったり、小物が黄色だったり、登場人物の服が赤だったり…。映画を見始めてすぐくらいにこのことに気がついて、そのあとはストーリーを追うこと以上に、画面に3色が入っているかどうかを確認するのに熱中してしまいました(;^^)ヘ..
主人公のポーラ(アンナ・カリーナ)はどこかの何かの記者で、昔の恋人から手紙が来て、現地に行くのですが、恋人は殺されてしまっていました。彼女は陰謀渦巻く街の中へ、調査のために飛び込んでいくのですが…
ストーリーの紹介をしましたが、実を言うと、ストーリーはもうほとんど覚えていません(^_^;) 見てから1ヶ月近く経ってしまったというのもありますが、とにかくストーリー性が希薄で、青と赤と黄色の断片的なシーンしか記憶に留まっていないのです。映画自体がシュールなイメージでした。監督も、もしかしたらストーリーなんてどうでもよかったのではないのかなあと思わせられます。当時、監督の恋人はアンナ・カリーナでした。この映画は彼女との最後の作品で、これ以降、公私ともにふたりは破局してしまったといいます。台詞のあちこちに、公私混同していると思われるものがあるらしいのですが、私は全く気がつきませんでした。ちょっと残念…(笑)
それから、日本人が登場するのでビックリしました。小坂恭子です。映画の中で「思い出まくら」を歌うのです。ゴダール監督とどういう繋がりが…???って思いましたが…。昔の洋画に突然日本人が出てくるのって、かなり驚きますねえ。これはほんとに嬉しい驚きでした。
はっきり言って、見る人のことをあまり考えていない映画だと思います。監督の自己満足というのか、媚びが全くないというのか、うーん、上手く言えないのですが、要するに、映画を撮影しながら、完成した映画を観客が見ている情景を全く想像していない映画、とでも言えばいいのかなあ。なので、見ているほうは困惑するし、退屈で眠くなるし、とどのつまり「面白くない映画だなあ」という結論に達してしまうのです。
とはいえ、映像そのものはほんとにポップで綺麗でおしゃれです。これがゴダールの映画なんですねえ。おすすめ度はほんとに難しいです〜(;_;) ★★★
1965年フランス
ジャン=リュック・ゴダール監督
名誉と栄光のためでなく
LOST COMMAND 2004/8/21 D
映画の原語のことは、私のサイトの掲示板でも話題になりましたけれど、製作国がアメリカで、監督もアメリカ人というこの戦争映画は、主人公たちがフランス人という設定にもかかわらず、やはり英語になっています。パリの街でアラン・ドロンが英語をしゃべっているなんて、なんとも不思議な光景でした。パリに限りません。ベトナムでもアルジェでも、世界中どこでも全員が英語をしゃべっています。これは不自然だとかおかしいとか言っても仕方のないことなのだと、ようやくわかってきました。英語は全世界共通語として使われているということなんですね。外国なのに英語を話しているという違和感より、観客が字幕なしで映画を見られることを優先しているのだと理解しました。
インドシナ戦争とアルジェリア戦争を舞台にしています。てっきり第2次大戦を舞台にしているのかと思っていたので、これらの戦争のことをほとんど知らない私は、正直焦りました(^_^;) ネットでざっと調べてから、あらためて続きを見ました。ベトナムは、アメリカが介入するずっと以前に、フランスとの戦争があったんですね。他国に振り回された不幸な国だったことがよくわかります。
インドシナ戦争で負けて捕虜となり、戦争が終わって帰国したラスペギイ中佐(アンソニー・クイン)は、未亡人のクレアフォン伯爵夫人(ミシェル・モルガン)と出会って、彼女と結婚したいがために、上の命令とあらば、汚いことも敢えてしてのけるようになります。中佐の忠実な部下のひとりがエスクラヴィエ大尉(アラン・ドロン)で、彼はあくまでも非人間的な行為を毛嫌いするタイプです。ラスペギイも最初はそういうタイプだったのに、伯爵夫人の夫としてふさわしい男(つまり将軍になるということ)になりたいと思ったとたん、やることががらっと変わってしまうのには驚きました。やはり女性の存在は大きいんですねえ(^_^;) エスクラヴィエも、敵の一味とも知らずにカスバの女アイーシャ(クラウディア・カルディナーレ)に夢中になってしまうというくだりがあります。ドロン様とCCが英語で話しているシーンも、わかってはいるんだけれど、なんだかとっても不思議な気がしました(笑)
邦題の「名誉と栄光のためでなく」って、どういう意味なのかよくわからなかったのですが、映画データサイトのあらすじの最後の部分を読んで、やっとわかりました。「エスクラヴィエは、名誉と栄光の名のもとに非人間的な行動を強制される軍隊に別れを告げるのだった」とあります。そうなのです、この映画のラストのドロン様は、それはもうかっこいいのです。戦争で汚いことも平気でする軍隊に嫌気がさして、制服を脱いで私服となって去っていく彼の姿は、颯爽としていてすがすがしいです。この映画の主人公は、ラスペギイではなくエスクラヴィエだったのではないかと思うほどです。ラストシーンの少し前、スーツ姿のドロン様が、軍の建物の2階の窓から、勲章授与式を見下ろしている短いショットも非常に印象に残りました。★★★★
1966年アメリカ
マーク・ロブソン監督
ザ・メキシカン
THE MEXICAN
2001/4/25 TH(ワールドポーターズ内ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらい)
伝説の呪いの拳銃「ザ・メキシカン」を巡るアクション兼ロマンス兼コメディー映画です。こういう、いろいろな要素がいっぺんに楽しめる映画というのは、面白いのは確かですが、一方では焦点が定まりにくいという欠点もありますねえ。また、ストーリーがちょっと入り組んでいるので、ノーテンキに見ていると駄目です。最初の交差点での爆音の意味がしばらく意味がわからず、あとになって、ああそうだったのか、と思いました。こういう演出はまわりくどくてあまり好きではありません。(笑)このあとは最後までとってもよかったんですけどね。映画は最初がかんじんですから、言葉ではなく映像で説明してほしかった気もします。とはいえ、ストーリーはとても良く出来ています。伝説の拳銃にまつわる物語が語られるとき、映写機のスタートする音がかすかに聞こえて、セピア色の再現フィルムが始まります。この映画の中の映画のシーンは何回か登場するのですが、昔のメキシコの雰囲気がよく醸し出されていて見ていて楽しかったなあ。スタッフはこの町の名前を「フラッシュバック・タウン」とネーミングしたんだそうです。なるほど。
ひしゃげたボールを「愛用」しているグレーの変な色の犬が出てきますが、これがまたなんとも言えないキャラ。あ、人間じゃないから、キャラクターとは言わないのかな。(笑)人間の脇役も非常に良くて、主人公のふたりを支えています。
そう、主人公は今をときめくブラッド・ピット&ジュリア・ロバーツ。組織のドジな運び屋のジェリーとその恋人のサマンサの役です。冒頭からふたりの派手な喧嘩シーンにドギモを抜かれます。「プリティー・ウーマン」のラストシーンのように彼女が建物の上にいて、彼は道路にいるのですが、シチュエーションはまったく逆。別ればなしが持ち上がって、サマンサはジェリーのトランクを地面に放り投げてしまうのです。共演しているというのに、ふたりが一緒にいるシーンはほんの少しだけ、という何とも奇妙な展開の映画です。
手に入ったと思ったらすぐ誰かに取られてしまい、銃を追かけるジェリーの冒険が始まります。一方、サマンサはジェリーがまっさきに戻ってくる先だと思われて、組織のひとり、リロイに監視されることになってしまいます。このリロイを演じているジェームス・ガンドルフィーニがすごくよかったです。ホモの役なんですよねえ。恋愛の指南までしてれるナイスなおじさん。ジュリアはまさにガンドルフィーニと共演しているんですよねえ…。ジェリーの追跡は実を結び、ようやく「ザ・メキシカン」を奪還するのですが、またそこに邪魔が現れ、ジェリーの元に来たサマンサにも身の危険が迫ります…
複雑なストーリーと凝ったプロットが魅力的で、最後まで飽きません。ブラピとジュリアの「絡み」を期待していた人はまさに期待はずれだと思いますが、私は楽しめたし、この映画はかなり好きです。★★★★
2001年アメリカ
ゴア・ヴァービンスキー監督
めぐり逢い
AN AFFAIR TO REMEMBER 2001/6/12 V
プレイボーイで有名なニコラ・フェランテ(ケイリー・グラント)が婚約を発表するシーンから始まります。アメリカ、イタリア、イギリスのマスコミがそれぞれコメントするのですが、そのお国柄の違いをよく押さえていて非常に興味深い冒頭シーンでした。とってもおしゃれな感じ。そのニコラが婚約者に会いに行く船旅の途中でテリー・マッケイ(デボラ・カー)という歌手に出会い、さっそくモーションをかけるところはちょっと不自然に見えましたけど、まあプレイボーイ、という設定だから仕方ないんですよねえ。(笑)
この映画が撮られた時、ケイリー・グラントは53歳、デボラ・カーは36歳。俳優さん、女優さんというのは年齢を気にせずどんな役でもできてほんとに得なんだなあと思いました。だって、普通に考えたら、これから婚約者に会いに行くという53歳の中年(もう中年とも言わないかも…(^_^;))のおじさんが、豪華客船の中で出会ったやはり婚約者のいる美女に言い寄って、自分の祖母に会わせていい雰囲気になったところで一気にキス、なんてどうも話しがうますぎます。でも、ケイリー・グラントだから見ていて許せてしまうというのはやっぱり彼のシブさと圧倒的な存在感のせいなんでしょうか。どうかんがえてもオイシイ役ですよねえ。(笑)
お互いに婚約者がいるのに、恋に落ちてしまうふたり。でも、こういうのって、すごくわかるんですよね。旅先で素敵な人に出会い、非日常的な雰囲気の中にいると恋してしまうっていうのは…。私にも似たような経験がありますから(^^ゞ 私の場合はアメリカに留学しているときでしたけど。たとえ恋人や婚約者がいても、今目の前にいる人に心を奪われてしまうことというのは本当にあるのです。
ニコラの祖母ジャノウ(キャサリーン・ネスビット)に会いに行くシーンがとても素敵です。テリーはニコラの素敵な祖母と会って話しをしているうちに、どんどんニコラに惹かれていってしまうのです。ジャノウお婆さんの上品で優雅なこと!未亡人になったらあんな生活ができたら素敵でしょうねえ。夢みたいなことですけど。ジャノウお婆さんのピアノに合わせてテリーが歌うシーンがあるのですが、これまたすばらしいのです。デボラ・カーの出演している映画はほとんど見たことがないのですが(「王様と私」など、ほとんどユル・ブリンナーの記憶しかありません(;_;))知的な清らかな美しさを持っている女優さんです。惚れ惚れしてしまいました。
エンパイアステートビルは1度だけ行ったことがあります。展望台から見下ろすニューヨークはそれはもう良かったですよ。このビルは歴史があって、1950年代の映画にも登場するのがいいいですね。
途中、子供達が歌を歌うシーンがあるのですが、みんなかわいらしくて印象的です。また、この映画のテーマ曲はとてもきれいなメロディーで素敵なんですよねえ。有名な「すれ違い」状態も、ラストのラストでやっとめでたく繋がって2人はしっかりと抱き合うハッピーエンドです。ただ、せっかくのクリスマスのシーズンなのに、あまりそういう風景が出てこなくてちょっと残念でした。クリスマスシーズンのニューヨークは最高なんですけどね。ケータイなどないアナログな時代のよさがじんわりと伝わってくる、古きよき映画という感じです。メロドラマの傑作だと思います。★★★★
1957年アメリカ
レオ・マッケリー監督
めぐりあう時間たち
THE HOURS 2003/4/28 TH(銀座ガスホール)
銀座のガスホールで行われた試写会で見てきました。始まる前に、原作の翻訳者である東大文学部教授の高橋和久氏のお話を聞くことができました。もしこのトークショーがなかったら、映画の理解が難しかったかもしれません。予備知識が少しあったほうがずっと映画が楽しめるということも充分あるわけなんですねえ。予告編はもう何度か見ていたのですが、もっと根底の知識が得られたことはとてもラッキーだったと思いました。たとえば、ヴァージニア・ウルフは精神を病んでいたということ、ヘビースモーカーであったことなどです。
アカデミー賞授賞式で、デンゼル・ワシントンが「By a nose」と言った一言が思い出されます。鼻に特殊メイクをほどこされたニコール・キッドマンが演じる女流作家の姿は、美女ではないのですが、独特の雰囲気を持っています。繊細で気むずかしそうで、つき合っていくのは非常に大変そうなタイプです(^_^;) 非凡と言われる人は多かれ少なかれそういう傾向があるのでしょうね。小説や絵画や音楽などの芸術の世界で傑作を生み出す原動力となるものが何なのか、わかるような気がします。
1923年のリッチモンド、1951年のロサンゼルス、2001年(原作では1999年)のニューヨーク、この3つの時間が交差し、絡み合って語られています(それも、たった1日だけのエピソードです)。現在と過去が入り乱れて登場するので、こういうタイプの映画を見慣れていない人はとまどうかもしれません。私はよく見ているので慣れましたけど…(たとえば「アイリス」もこういうタイプでした)。
自分の小説のキャラクターの死を考えるヴァージニア・ウルフ、ヴァージニア・ウルフの小説に傾倒しているローラ(ジュリアン・ムーア)、自分は意識していないのにヴァージニア・ウルフの小説の主人公「ミセス・ダロウェイ」と同じような1日を経験するクラリッサ(メリル・ストリープ)、この3人の女性が織りなす物語は、ヴァージニア・ウルフの頭の中と同様に繊細に複雑に絡み合っていきます。「後悔しないで生きることが大切なのだ」という強烈なメッセージが伝わって来ますが、共感する度合いはきっとひとそれぞれ違うでしょうね。私は、憧れるけど現実問題としてはとても無理だろうなあ、というのが正直なところです。
この映画は何度か繰り返して見ると、もっと深く理解できるのだろうと思います。それも、すぐに繰り返して見るより、しばらく時間をおいてから見るほうがいいかもしれません。見るたびに新しい発見がありそうな気がします。1度見ればもう充分という映画が多い中で、こういう映画はほんとうに貴重だと思います。
「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルドリー監督の第2作目ということでも非常に期待していたのですが、予想以上のすばらしい映画で、心底感動しました。ただ、10代20代の若い人たちにはちょっと理解しにくい内容かもしれません。前作とは180度くらい違う内容の映画ですし、テーマがとても深いからです。キーポイントは、タイトルにもなっている「時間」です。人間は均一の時間を生きていないのだなあということが、よく実感できました。いい映画です。「映画オタク」を自称する方でしたら、ぜひともひとりで見に行ってみてください。誰かといっしょに見に行くなら、映画上級者がおすすめです。映画初心者同士で見に行くと「なんだかよくわからない映画だねえ」で終わってしまいそう…(笑)
最後になりましたが、エド・ハリスは出番がそれほど長くないのに凄い存在感です。エド・ハリスファンの皆様には必見でございますよ(^^) ★★★★
2002年アメリカ
スティーヴン・ダルドリー監督
めぐり逢えたら
SLEEPLESS IN SEATTLE 2002/8/6 V
ずっと勘違いしてました(^_^;) ケイリー・グラント&デボラ・カーの「めぐり逢い」のリメイクだと思っていたのです。ですよねえ、あの名作メロドラマをいまさらリメイクしても何にも面白くないです(笑)同じなのは、片方に婚約者がいるという点とエンパイアステートビルの展望台で男と女が会う約束をするという2つのことくらいで、あとは全く別のストーリーでした。
トム・ハンクス&メグ・ライアン主演のラブロマンスなのですが、ふたりの絡みのシーンはほとんどありません。別々に進行していくストーリーがユニークです。ふたりが出会うまでを描いている点で「ワンダーランド駅で」に似ています。もっとも、こちらはアニー(メグ・ライアン)が一方的にサム(トム・ハンクス)に恋してしまうのがロマンスの発端になっているんですよね。また、豪華2大スターの絡みがほとんどないというのは「ザ・メキシカン」を思い出しました。こういう変則的なロマンスものは、たまに見ると実に新鮮でいいなあ(^^)
サムが住むシアトル(この映画の原題にもこの都市の名前が入っています)の風景がとても細やかで素敵です。アニーの実家のあるボルチモアとシアトルがいかに離れているかを、北米大陸を登場させて見せるのも楽しい演出です。こういう茶目っ気のある映画って好きです。
とにかく、サムの息子のジョナサン(ロス・マリンジャー)がかわいらしい!自分のお父さんが、奥さんと死別してさみしがっていると思って「新しい奥さん募集」というリクエストをするためにラジオ局に電話したことが物語のそもそもの始まりなのです。そのラジオを偶然に聞いていたのがアニーというわけです。
共演者が豪華なわりには地味なロマンス映画です。派手好みの方にはすごーく物足りないかも…(^_^;) 私はしっとりとしていていいなあと思いました。トム&メグのゴールデンコンビファンにはぜひぜひおすすめしたい1本です。★★★
1993年アメリカ
ノーラ・エフロン監督
メッセージ・イン・ア・ボトル
MESSAGE IN A BOTTLE 2001/5/14 CTV
131分というやや長い映画です。瓶の中に入っていた手紙が発見されるのは始まってわずか5分後、調べて手紙を書いた主を探し出して会いに行くのが20分後。最初は展開が早いのですが、主人公のテリーサ(ロビン・ライト・ペン)が手紙の主のギャレット(ケビン・コスナー)に恋心を抱くあたりから、ペースダウンします。この映画で描きたかったことは悲恋なのかしら、と思いつつ見ていると、あっと驚く結末が待っていました。結論から言うと、かなり後味が悪い映画です(;_;)なんて書いてしまうと、ネタバレも同然なんですけどねえ。(笑)
以前に見た「男と女」の逆のパターンです。愛妻に病気で先立たれてしまった男と、夫の浮気で離婚してしまった女とが海に流れてきた瓶の中の手紙を通して知り合い、恋に落ちるのですが、男はどうしても死んだ妻のことをひきずっていて、優柔不断になってしまうのです。嫌いになって別れたわけではなく、悲惨な病死や突然の事故死だと、残された夫や妻はなかなか新しい恋人ができない、ということなんでしょうねえ。「男と女」でもまさにそうでしたし…
ロビン・ライト・ペンという女優さんを初めて見たのですが、とても素敵です。ケビン・コスナーとほんとにお似合いでした(^^) 美人でかつ知的な女優さんて、なかなかいないですよねえ。ケビン・コスナーも海の男を自然に演じていて良かったです。あと最高だったのが、ギャレットの父親のドッジをしていたポール・ニューマン。あの「明日に向かって撃て」を見てから久しぶりに見た彼は、ほんとに老人になっていましたが、またその歳を重ねた表情がとてもいいのです。
ギャレットが瓶の中に入れる手紙が非常にすばらしいのも印象的でした。こんな手紙を夫からもらったら、絶対に惚れ直しますよー。(笑)詩的でほんとに感動的なのです。メモしておきたいくらいでした。
この映画を映画館で見ていたら、ちょっと損した気分になってしまったかもしれません。何しろあの結末じゃあ…(..;) ただのお涙頂戴映画になってしまったような気がしないでもないです。でも、私はこの映画、嫌いではありません。ラスト近くでは何度か涙がこぼれました。なんだかんだ言っても、やっぱり感動の映画なのです。WOWOWでやっていたから見たせいか(笑)見て損したとは思いませんでした。ケビン・コスナーのファンなら見逃せないですし、恋愛メロドラマを見て泣きたいわ!というそこの主婦のあなたにも絶対、おすすめです。★★★★
1999年アメリカ
ルイス・マンドーキ監督
メトロで恋して
Clara et moi 2005/6/18 TH(パシフィコ横浜)
俳優志望のアントワーヌ(ジュリアン・ボワスリエ)は、ある日、地下鉄の中で運命の女性クララ(ジュリー・ガイエ)とめぐり逢います。彼女は、まさに理想的な女性でした。たちまち恋に落ちたふたりは結婚を約束しますが、HIV検査でクララに陽性反応が出てしまい…
もし大切な人が不治の病にかかってしまったらどうするか。ロマンス映画で幾度となく描かれるテーマです。でも、癌や白血病ではなくエイズであるという点、かかってしまったのが男性ではなく女性のほうであったという点が、この映画をありきたりではないものにしています。
邦題も、映画の前半の雰囲気も、とてもロマンティックです。2人が初めてデートするシーンでは歌って躍りだしたりするので、一瞬「え〜〜っ??ミュージカル映画なの??」なんて思いましたが、このシーンだけでした。なかなか意表をつかれます。
もしタイトルとポスターに惹かれただけで映画を見たら、きっと結末に驚いてしまうでしょう。ネタバレになるので書けないのがツライのですが、かなり意味深長なラストです。好き嫌いはあるでしょうし、賛否両論もあるでしょう。
第13回フランス映画祭の4日目の1本目です(この日は5本上映されましたが、最初の1本と3本目はパスしたので3本見ました)。来日ゲストはアルノー・ヴィアール監督、アントワーヌ役のジュリアン・ボワスリエ、クララ役のジュリー・ガイエの3人でした。上映後の質疑応答で、ジュリーが観客に質問していたのが印象的です。「最後にクララがアントワーヌの元に戻ってくると思った人、思わなかった人」で挙手してもらったのです。いっしょに見た友人は「戻ってくる」方に手を挙げ、私は「戻ってこない」方に手を挙げました。会場もちょうど半々くらいになっていたようです。この映画のラストをどうとらえるかは、見る人の性別や年齢や経験で違ってくるのかなあと、ふと思いました。★★★★
2004年フランス
アルノー・ヴィアール監督
めまい
VERTIGO 2001/10/29 RV
サスペンス映画としては、最高峰ではないかと思います。前半の謎めいた美女とのくだり、後半の謎解きと意外な結末、どこをとってみても、見事としか言いようがありません。
主人公のジョン・ファーガソン(ジェームス・スチュアート)は警官を退職していたのですが、ある日、友人に妻の様子が変なので尾行して様子を報告して欲しいと頼まれます。気が進まないうちに友人といっしょのところの妻マデリン(キム・ノヴァク)を見て、その美しさに心が動かされ、彼女を尾行し始めます。マデリンの行動は実に奇妙で、墓場に行ったり、教会に行ったり、美術館に行ったりと、謎は深まるばかり。とうとう、サンフランシスコ湾に身を投げてしまったので、ジョンは飛び込んで彼女の命を助けます。2人はお互い知り合うことになり、急速に接近し、ジョンはマデリンに激しい恋心を抱くようになります…
このように、物語の前半は、マデリンの行動があまりにも謎めいていて、あれれ?この映画ってオカルト映画なのかしら、と思うくらい。昔に生きていたスペイン女性がマデリンに乗り移って彼女を自殺させようとしている、というシチュエーションなのです。
途中から、オカルト映画ではなく、やっぱりサスペンス映画であることがわかってほっとしました〜(^^) ヒッチコックはやっぱりサスペンス映画の王様です。丁寧な映像作り、凝った仕掛けは、後半でなんとなく犯人が想像できてしまうという欠点があるものの、最後まで画面から目が離せない、強力な魅力です。
主人公が高所恐怖症であることを非常にうまく利用しています。高いところから下をのぞくと、クラクラとして気を失ってしまうジョンは、ちょっとナサケナイ感じがしますが、それこそがこの映画の重要な謎解きのポイントになっているので、よしとしましょう(^^) また、サンフランシスコの風景も非常にすばらしいです。例によって、50年代のアメリカの暮らしやファッションも心ゆくまで堪能できます。この映画は「サイコ」のようなモノクロではないので、ジョンとマデリンが一緒に食事するレストランの壁が真紅だったり、ゴールデンゲイトブリッジも真っ赤だったり、マデリンの服装がシックなグレーのスーツだったり、黒のドレスだったりと、どれも印象的なのです。また、2人がデートする森林も素敵ですねえ。樹齢2000年のセコイアが出てくるのですが、見ていて私も行きたくなってしまいました〜(^^ゞ
結末がどうなるのか知りたくて一気に見てしまう最高級のサスペンス映画ですが、切ないロマンスもからんでいて、女性にはたまらない映画でもあると思います。キム・ノヴァクはほんとに綺麗だし、ジェームス・スチュアートはシブイし。見て絶対に損はしません。おすすめ!★★★★★
1958年アメリカ
アルフレッド・ヒッチコック監督
メメント
MEMENTO 2002/1/23 TH(ワーナーマイカルシネマズ本牧)
人間の記憶とはいったい何なのか。とても考えさせられる映画です。私も最近、ついさっきやっていたことを忘れてしまったり、昨日買ってきたものをどこに置いたかわからなくなってしまったりすることがあるので、とても人ごととは思えませんでした(^^ゞ
主人公のレニー(ガイ・ピアーズ)は、妻を殺されたショックで、記憶が10分以上続かないという「前向性健忘」という記憶障害に陥っています。記憶をとどめるため、レニーはポラロイド写真を撮り、メモを書き込み、さらに自分の身体にも刺青で文字を刻みつけます。妻を殺した犯人をつきとめるため、彼は丹念に少しずつ「事実」を収集するのです。
この映画は非常に変わった構成になっていて、なんとラストシーンから始まり、どんどん過去へとさかのぼっていく、という形になっています。レニーがどうやって妻殺しの真犯人を突き止めたのか、それを少しずつ時間を逆行して見ることになります。こんな映画は今までに見たことがない!と見る人すべてを唸らせるに充分の映像なのです。普通、映画というのは見終わったらすぐにもう1度見たい、とはなかなか思わないのですが(私の場合、例外が1本だけありまして、「スターウォーズ」を劇場で最初に見たときは、入れ替え制ではなかったこともあって、続けて2回見る、ということを2回やりました(^^ゞ)この映画は、あと5〜6回くらい見ないとわからないなあと思いました。面白いからもう1回見たいということではなくて、何度も見て確認したい、という意味なんですけどね。
それにしても、昔のことは覚えているのに、たった今の記憶が10分間しか続かない、という感覚はいったいどんな感じなんだろう、と思います。10分経つたびに、「ここはどこ?私は誰?」と知らない場所で目が覚めたような感じなんでしょうか。不慮の事故や精神的なショックで、この症状に陥ってしまう人が実際にいることはテレビを見て知っていましたが、映画とはいえ、こうしてその悲惨なありさまを見せつけられてしまうと、複雑な気分になりますねえ。前向性健忘でなくても、いわゆる「ボケ」という症状もよく似ています。食事をし終わったばかりなのに、「ご飯はまだ?」と催促する痴呆老人のことはよく見聞きします。ほんの数分前の記憶が、さらさらと砂がこぼれるように消えていってしまう。だから、どうしても忘れたくないことは身体にインクで刻み込みたくなる、というのも理解できるような気がしました。
この映画についてレビューをあれこれ書いても始まらないので、とにかく見てください、と声を大にして言いたいです。観客の脳髄への挑戦というのか、頭の体操をさせてくれるというのか、ぼ〜〜っと見ていたらとたんにわけがわからなくなってきてしまいます。何度も同じシーンが登場するのですが、少しずつ映像が違っていたりして、なんともめちゃくちゃに凝っているすごい映画なのです。見る前日はたっぷりと睡眠をとり、体調をととのえておいてくださいね。でないと映画館で眠くなってしまって、脳味噌が停止してしまい、映画の面白さが味わえなくなりますから。★★★★
2000年アメリカ
クリストファー・ノーラン監督
メラニーは行く!
SWEET HOME ALABAMA 2003/5/24 TH(ランドマークホール)
よくいっしょに映画を見に行っている友人から電話があり「明日予定ある?」というので何かと思ったら「『メラニーは行く!』の試写会の招待状が手に入ったからいっしょに見に行こう」というものでした。実はヤフオクでこのチケットが出ていまして、どうしようかなあと迷っていたのです。落札しないでよかった〜(笑)
試写会が始まる前のアナウンスで「アメリカではラブコメとして記録的な大ヒットになりました」と言っていましたが、IMDBの点数を見ると5.8しかありません。そうかもしれないなあというのが正直なところです。
通り一遍の見えすいたラブコメにはしたくない!という制作スタッフの意気込みは充分感じられました。ラブコメのヒロインにしては風変わりな過去があったりして、ストーリー的にもひねりが効いています。でも、やっぱりラストは典型的なラブコメのパターンそのままで、とっぴょうしのなさはかなり漫画チックなんですよねえ。まあこういうのがラブコメの特徴なんでしょうけど。
アメリカでは離婚がとても多いですが(最近の日本も同様ですね…)映画で「離婚届」の書類を見たことはありませんでした。3枚セットになっているんですね(州によっても違うのかもしれないですが)。へえ〜、そういう形式だったのかと勉強させていただきました。
メグ・ライアンやジュリア・ロバーツに続くラブコメの女王になりそうな予感充分のリース・ウェザースプーンが主人公のメラニーを熱演していて、彼女の魅力を楽しむための映画だよなあと思いました。ニューヨークの新進デザイナーという役柄だけあって、彼女のファッションはとてもキュートです。
魅力的といえば、脇役陣もけっこう豪華です。メラニーの婚約者の母親、ニューヨーク市長のケイトはキャンディス・バーゲン、メラニーの少女時代は(ほんとに短いシーンで残念でしたが)ダコタ・ファニングです。このふたりはすぐに顔と名前を認識できたのですが、あとの数名は顔は見たことあるのに名前はわからない(;_;)というテイタラク。ウェザースプーンにしても、「『アメリカン・サイコ』に出ていたわよ」と映画のあとで友人に聞いたのですが、「え?そうだっけ??記憶にないわ…」というアリサマでした(笑)
それから、ひとつ文句を言いたいのは、映画のチラシにはヴィトンのバッグが写っているのに、本編では出てこなかったということ。出ていたのかもしれないですが、見つけられませんでした(;_;) 看板を偽るのはどうかと思いますよ〜(笑)
アンディ・テナント監督ですが、前作の「アンナと王様」もその前の「エバー・アフター」もとても好きな映画なので、最新作も期待していたのです。ところが見終わってみると、うーんと思わずタメイキが…(笑)この監督はラブコメは向いていないのかもしれません(^_^;) この点もちょっと残念でした。
ビデオになってから見ても充分だと思いますが、ウェザースプーンのファンの方はぜひとも映画館でご覧になってください。はちゃめちゃでキュートな映画です。★★★
2002年アメリカ
アンディ・テナント監督
メリーに首ったけ
THERE'S SOMETHING ABOUT MARY 2001/10/6 CTV
「メリーには何かある」という原題を「メリーに首ったけ」としたのは非常にうまい邦題のつけかただと思いました。メリー(キャメロン・ディアス)に恋してしまう4人の男たちが非常に滑稽で、コメディーとしても、ほろっとくるラブロマンスとしても、なかなかの出来だと思います。なにしろ、頭をカラッポにしてゲラゲラと笑えるのはいいことです。
ただ、ほんとに下品です(^_^;) シモネタをメインのギャグにしているので、一部分、ちょっと見るに耐えないようなシーンもあって、うえ〜〜〜って思ってしまいました〜(笑)でも、これくらい開き直っていると、かえってすがすがしいのかも…。これだけお下品な映画なのに、主演のディアスが下品にならず、最後まで「素敵なメリー」でいるところはさすがだと思いました。
メリーに恋してしまう幼なじみのテッドを演じているのが、「僕たちのアナ・バナナ」で初めて見たベン・スティラーです。ひたむきにメリーを恋する青年を好演しています。ライバルがぞろぞろと登場し、チンピラのパット(マット・デイモン)にメリーを奪われそうになり、最後はいったいどうなるのかとハラハラしました。マット・デイモンのまっ白な歯がかなり不気味だったなあ(笑)
なんと言っても笑えるのが、メリーの同居人であるマグダおばさんが飼っている犬です。小型のテリアなのですが、パットに薬を飲まされて仮死状態になってしまったり、窓から落ちて全身ギブスをしたり、ほんとにオカシイです。これだけでも必見ですよ〜。ほんとに芸達者なワンコで感動しちゃいました。(写真の、メリーの足元にいる白い犬がそうです。毛が白いのではなく、全身ギブスで白くなっているのです)★★★
1998年アメリカ
ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー監督
メルシィ!人生
LE PLACARD
THE CLOSET 2003/7/10 V
今年のフランス映画祭で見た映画の半分以上はコメディでした。最近のフランス映画は、シリアスな恋愛ものよりも、コメディが流行っているということなんでしょうか。そういえば、「アメリ」が大ブレイクして、この映画がきっかけでフランス映画を見るようになった人が増えたと伝え聞いたことがあります。食わず嫌いならぬ見ず嫌いが多そうなフランス映画に変化が表れてきたのだとしたら、喜ぶべきことなのかもしれません。
フレンチコメディがどう面白いのかと聞かれても、うまく説明できないのがもどかしいです。とりあえずまずは騙されたと思って見てください、としか言えないですねえ。この映画は、ミニシアター系でしたが、テレビでかなり話題になっていたので、映画館で見た人も多いはずです。私も映画館に行きたかったのですが、映画館は近くはありませんから、ついつい行きそびれてしまいました。映画館で見て、パンフレットも買ってきたかったなあ(笑)
主演はダニエル・オートゥイユです。目立たなくて不幸な中年のサラリーマンを哀愁たっぷりに演じていて、ほんとに見事!オートゥイユの映画は、「橋の上の娘」と「王妃マルゴ」の2本しか見たことがありませんが、その存在感はスゴイものがあります。私は小柄な俳優さんがとても好きなのですが、オートゥイユもまさにその部類に入るんですねえ。小柄なのにインパクト大というのはとっても魅力的です。男性は背が高ければいいというものではないのです。(^^)
フランソワ(オートゥイユ)が勉めている会社がユニーク!なんと、コンドーム会社です。それも、日本企業のパリ工場が使われているそうな。そう言えば、中盤あたりで工場見学のシーンがあるのですが、そのグループの中には日本人が混じっていました。見学に来てみたら、コンドームを使用すべき状況が目の下方で繰り広げられている、というキョーレツな大爆笑シーンがあるのです。オートゥイユはよくもまあこの映画に出演することにしたもんだと驚いてしまいましたよ(^_^;)
「シカゴ」で「私はセロファン…」と歌う目立たない人物が登場しましたが、フランソワも同様で、いてもいなくても同じ、いるのかいないのかわからないというウルトラ地味な人物です。妻と息子に去られ、孤独な一人暮らしの上、ふってわいたようなリストラの危機。偶然、隣りに引っ越してきた老人のちょっとしたアドバイスで、リストラを回避しようとするのですが、人事課の上司であるサンティニ(ジェラール・ドパルデュー)を巻き込んで、どんどん話しがややこしくなっていきます。さすが、「奇人たちの晩餐会」のフランシス・ヴェベールの脚本・監督作だけあって、可笑しさは天下一品です。コンドームが実にうまく小道具(大道具かもしれません)に使われていて、シモネタギャグもここまであっけらかんとしていると、かえって爽快に思えるから不思議です。
冒頭シーンとラストシーンのシンクロも見事。主人公が周囲の人々とのふれあいで変化していくという内容の映画は、いつ見てもいいなあって思います。ますますヴェベール監督やオートゥイユやドパルデューのファンになりましたよ。次回作も早く見たくてたまらなくなります。フレンチコメディ万歳\(^O^)/★★★★
2000年フランス
フランシス・ヴェベール監督
メルシー・ラ・ヴィ
MERCI LA VIE 2005/5/16 D
とある映画サイトのレビューで、「あらゆる映画の中で一番好き!」というのを読みました。その方が今までに何本の映画をご覧になったのかは知りませんが、数ある映画の中で最も好きというのはけっこうすごいことだなあと思います。人間ひとりひとりの性格が違うように、好きな映画もひとそれぞれ違います。その人のツボに究極にぴったりと合致したとき、こういうことが起きるんでしょうね。というのも、これはものすごく風変わりな映画だからです。私は変わった映画が好きですので最後まで問題なく見ましたけれど、とてもじゃないけれど「今まで見た中で一番好きな映画です」とは言えません(^_^;)
驚いたのは出演陣が豪華なことです。シャルロット・ゲンズブール、ジェラール・ドパルデュー、ミシェル・ブラン、ジャン=ルイ・トランティニアン、アニー・ジラルド等、そうそうたる顔ぶれです。特にミシェル・ブランの全裸シーンにはあっけにとられました!ドパルデューはいつも「え?こんな映画にも出ていたの?」と驚かされます。シャルロットはまだ10代でしょうか、可憐でほんとに素敵です。相棒役のアヌーク・グランベールという女優さんは初見でした。
ストーリーを紹介してもシュールすぎて意味不明になってしまうと思われるくらい、ほんとに摩訶不思議な映画です。この種の映画は「アート」と呼んだほうがいいのかも…。ストーリーははちゃめちゃでよく理解できないのですが、映像は実に美しいのです。何気ない台詞やきれいで心惹かれる風景から伝わってくるのは、なんだかよくわからないけれど癒されるなあ、という感覚です。勉強不足で、ベルトラン・ブリエという監督さんは全く知りませんでした。強烈な個性です。
不思議でシュールでファンタジックな世界に身を任せられる人は見ても大丈夫ですが、そうでない人はちょっと苦痛かもしれません。風変わりな映画が好きという方にはおすすめですので、ぜひともベルトラン・ブリエワールドを確認してみてください。★★★★
1991年フランス
ベルトラン・ブリエ監督
メン・イン・ブラック2
MEN IN BLACK II 2003/1/10 RV
とびきり予算のかかっているB級映画っていう感じですねえ。巨大ゴキブリ(?)が大活躍した前作がとても好きなのですが(特に大宇宙をフューチャーしたラストシーンにシビレました!)、パート2もなかなかいいですね〜♪ 個人的にはしゃべりまくるパグがお気に入りです(^^) 動物が器用に英語をしゃべるのはすでに「ドクター・ドリトル」とか「スチュアート・リトル」とか「キャッツ・アンド・ドッグス」で見ていますが、ほんとにかわいくていいよなあって思います。CG技術万歳っていう感じですね。
私はどちらかというと、ケチ根性丸出しの映画って好きじゃないのです。具体的にどんな映画?って訊かれても困るんですけどね(^_^;) たとえば、時代もののコスプレ映画なのに、美術をケチっていてやけにみすぼらしい衣装だったりとかね(笑)そんなケチくさい映画を見るくらいなら、お金のかかっているオバカなB級映画を見るほうがよっぽど楽しいです。そういう意味で、この映画はまさに大盤振る舞い映画で、豪快なお金の使い方にスカっとします。
ストーリーは荒唐無稽でギャグもパンチ不足だとは思いますよ。でも、映画全体から伝わってくるパワーは相当なもので、最後まで引き込まれて一気に見てしまったという感じです。大きな要因はやっぱり主演のふたりでしょうねえ。ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズですもん。そこに立っているだけで迫力ありますよ〜。
あ、思い出しましたが、キツ〜いギャグが1つありましたよね。マイケル・ジャクソンです。クレームを食らわなかったのかしらって心配しちゃいましたが(^_^;) でも、確かにマイケルは人間離れしてるからなあ、もうオオウケしちゃいましたよ(^^)
映画館に行きそびれてしまった映画です。やっぱり映画館で見ればよかったかなあと思いました。もしパート3もできるなら、今度こそ映画館で見たい!★★★
2002年アメリカ
バリー・ソネンフェルド監督